愛があるから生まれることは確かだが、愛とは明らかに違い、わからないので、怖いもの(片山壮平さん #1)

寝るときは抱きしめに行く。抱っこして欲しがる以上は、どんなに大きくても抱っこしようと思う。埋め合わせではなく、そうしたいと心から感じている。そのはずだ。

愛という大きな感情の流れの底に渦巻く、愛があるから生まれることは確かだが、愛とは明らかに違い、わからないので、怖いもの。認知していることが出発点だとは思う。育児書なりネットなりで仕入れることができる、叱ると怒るの違いとか、理想論とか方法論は理解できても、解決できるほどの力を持たない。今子どもたちも、私達親も、自分の感情に向き合って、理解を深めていくその途上にあるんだろう。

「今日のご飯は何が良いだろうねー」

「んー、シチュー!」

「いつも聞いたら絶対シチューっていうけどさー、本当に全部食べる?」

「うん、食べるよ!パクっと!パクパク」

「まあ最近作ってないし、肉も余ってるから今日はシチューだな」

「やったー!しっちゅー」

「こないだ無水カレーやってみたから、無水シチューとかやってみるか」

「えー、むすいやだーふつうのが良いー」

「はいはい、じゃあ普通のね」

* * *

あい【愛】
人や物に向けられた感情の流れ。それはポジティブな結果もネガティブな結果も招く。

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