死んだあいつと、生きてる俺と(BUBBLE-Bさん #4)

でも、熱海の激安マンションに遊びに行く機会もないまま時は過ぎ、あいつは静岡の実家にUターンしたと、誰かから聞いた。

そこからはメッセージを送っても返ってこなくなり、周りの誰に聞いても「連絡取れないんだよね」と言われ、音信不通となった。

2016年の8月末、ある人からSNSでメッセージが来た。
あいつが、死んだと。

当時京都で働いていた私は、仕事を無理矢理終わらせて、帰宅して喪服に着替え、高速を飛ばして静岡の斎場に向かった。そんな日に限って仕事が多く、早く出られなかった。

でも、終わりかけのお通夜会場にギリギリ滑り込めた。
多くの友達が集まっていたが、みんな帰る準備をしており、「遅いよ」なんて言われた。
それでも、会えて良かった。

遺影の中で嘘みたいに笑うあいつ。
棺の中で冷たくなったあいつ。
これ、趣味の悪いドッキリじゃないのか?と思った。

ご両親とも初めて話した。ずっと頭痛がひどく、苦しそうだったという。
一度手術をしたところはもう手術できないらしく、痛み止めを飲み続けていたのだという。

3兄弟のうち昔からあいつだけが破天荒だったとか、東京で何の仕事をしているか全く知らなかったとか。でも、こんなにも友達が集まってきてくれたのは驚きだと仰って、こちらが恐縮してしまうほど喜んで頂いた。

出会いはくだらないサブカルチャーとか、バカみたいな音楽でゲラゲラ笑って酒を飲んだりしていたとしても、やがてそれが人生になって、複雑に絡み合っていく。

意味のないことばかりを愛して、その時楽しいことばかりを追求していても、それでいいじゃないかと思う。

あいつがまだ生きていたとしても、昔と同じように、繁華街で安いメシを食って、バカな音楽をかけてゲラゲラ笑っているに違いない。

こっちは、まだまだバカな音楽で遊んでる。
あいつの分までみんなで遊ぼう。
友達の輪を広げていこう。

パーティは終わらない。

借りパクしたままの蛭子能収のマンガと真心ブラザーズのDVD、そのうち返すよ。ごめんな。

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