深い溝の外側で、私達を待つ者とは(BUBBLE-Bさん #3)

「部長ってさざれ石だよな!さざれ石!」

以前、居酒屋で隣のテーブルに座っていたサラリーマン4人組が、そう言ってゲラゲラと笑っていた。

部長はさざれ石。何のことやらさっぱり分からない。これを読んでいる方も意味不明だろう。でも、彼らには大ウケの超絶キラーワードなのである。

私には「部長はさざれ石」というワードの意味が分からず、彼らの会話に入れない。
彼らの世界と私の世界とは分断されており、そこには深い溝が横たわっている。

この溝の正体は何だろうか?

少し前に、あらゆる人にリモートでインタビューをするYouTube番組を作ったことがあった。
出演してくれた方々は、知名度のある方から市井の方まで幅広かった。私は全ての出演者にフラットに接し、全ての回を同じように配信することを心がけた。出ていただいた皆様には今も感謝している。

なかなか経験しがたい凄い話の回、話がスイングして盛り上がった回、とにかく勉強になる回など、内容はバラエティに富んでいた。もちろん穏やかな雑談で終わるような回もあった。

内容が面白ければ多く再生された、と言いたいところだが、多く再生されたのは知名度のあるゲストの回だった。

これは、人が最初に興味を持つのは中身ではなく、「誰が喋っているのか」ということを示しているのではないだろうか。よく「何を言うかより、誰が言うかが大事」と言われるが、知名度のあるゲスト回に注目が集まったというのは、まさにそれを象徴しているように思える。

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