神さまとの間に愛は存在するのか。夜の伊勢神宮で5分間「ありがとうございます」を唱え続けた話(李生美さん #2)

伊勢神宮には呼ばれないと行けない説

久しぶりに帰省した目的は、伊勢神宮の夜間参拝だ。去年お母さんが一人で参加して、憑き物が落ちたようにすっきりしたそう。伊勢神宮には行ったことがなかったし、夜間参拝なんて非日常な体験はなかなかできるものでもないから、誘いに乗って付いていくことにした。

この伊勢神宮の夜間参拝も小林正観さん発祥だった。小林正観さんは有名どころだと『そ(掃除)・わ(笑い)・か(感謝)の法則』など、自身の考えを多くの著作に残している。その影響力は2011年に亡くなった後も続き、彼や彼の教えを信望する人が絶えない。
年末年始以外での伊勢神宮の夜間参拝も、小林正観さんたちの団体だけが認められているらしい。現在も後続の代表者がその伝統を続けている。

神社には「呼ばれる」「呼ばれない」があると聞く。出雲大社や伊勢神宮など「呼ばれない」人は体調が悪くなったり交通機関が止まったりして、参拝に行くのを阻まれる。

明日はいよいよ夜間参拝という日に、わたしの足はめちゃくちゃに腫れてしまっていた。帰省2日前に川サウナに入った時に、左足首をブヨに噛まれてしまい、傷口から細菌が入ってひどい状態になっていたのだ。歩くたびにズキンと痛みが走り、とても神社をまわれない状態だった。

「これ、お伊勢さんに呼ばれてないかもしらんな」と、お母さんに言うと「もう宿はとってるし、あかんかったら待機しとき。病院行くで」と、とりあえず朝一で病院に行くことになった。

傷口を処置してもらい、点滴を打って抗生物質の飲み薬とステロイド系の塗り薬を手に入れた。点滴からしばらくすると痛みが嘘みたいにマシになり、なんとか歩けるところまで回復し、急いで大阪を出発した。

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