How in the hell are you not dead?(ふつうエッセイ #668)

映画「ワイルド・スピード/ジェットブレイク(原題「F9(Fast & Furious 9)」)で、主人公グループが敵対グループに攻撃されながら追い掛けられているシーンがある。

ピンチの連続すぎて、「なんで助かるの?」という感じで笑ってしまうのだが、その気持ちを表現する台詞をしっかり代弁してくれていた。

How in the hell are you not dead?(なんで死んでないの?)

ピンチを切り抜けて、「死んだかと思ったよ」「無事で良かったね」というのは、ある意味で凡庸な台詞である。

「なんで死んでないの?」を、地獄を意味するスラングの「hell」を使って表現するあたり、アメリカの文化圏の特徴を感じさせる。たまたま今日、映画「東京リベンジャーズ」を見ていて、同じような暴力的なシーンが多々あるにも関わらず、やっぱり日本とアメリカでは全然違うよなあという気持ちにさせられた。

別に、どちらが優れているか?という話ではない。

ただ、違うのだ。もちろん好みはあるけれど、そこに積極的に優劣をつけたいという気持ちはない。

気の利いた台詞を言いたい思いは常にあるけれど、日々言葉と向き合っていても、こういう生き生きとした表現はなかなか生まれない。それはなぜだろうか、やっぱりセンスの問題なのだろうか。

意味が通るロジカルな文章をつくれば、確かにmake moneyできる。

でも、ロジカルな文章ばかりつくっていても、センスを磨くことはできない。

How in the hell are you not dead?

文章を書いているだけでは十分でないのかもしれない。漫才に挑戦したり、ラップバトルに参加したり。ちょっとしたユニークな試みから、何かヒントを見出せるのではないか。なんだか、ないものねだりのような気もするけれど。