推しと現場と推す人と / オタク気質女子の戯言(ももさん #2)

突然ですが、「現場」という言葉をご存知でしょうか。

広辞苑には「物事が現在行われている、または実際に行われた、その場所。げんじょう。」と記されているこの言葉ですが、ここでお話ししたいのは一般的な意味とは違った「現場」についてです。

実はアイドルやアニメなどのファンの間では、現場とは「コンサートや舞台などのイベントが開催される会場」という意味で使われます。

例えば、「現場」は、

「はやく現場行きたい……」
「今度現場一緒に入ろうよ!」

といった感じで使われます。これは、

「はやくコンサート行きたい…….」
「今度一緒にライブに行こうよ!」

と訳すことができます。

私はアイドルをはじめとしたサブカルチャーが大好きです。「推し」がたくさんいるオタク気質な人間で、推しが好きであると同時に「現場に行く」ことが好きでもあります。現場に行って推しに会ったり、生のパフォーマンスを堪能したりすることにとくに幸せを感じるので、高校のときにはお小遣いのほとんどを現場の費用に充てていました。

今回は推しを通じて感じる「現場に行く」ことへの愛を、とある「推しのライブに行く日」をなぞる形でお伝えできればと思います。

デートよりも準備に時間がかかる当日朝

シャキッと、いや、ギラっと目が覚める朝。私が現場に行く日の朝のルーティンは、いつも以上の時間をかけた身支度からスタートします。目はバッチリ開いているのに、夢見心地でふわふわとした高揚感に包まれながら服選びやヘアメイクをする。急いでいる時は15分もかけずにできる準備に何時間もかける自分の姿は、なんだか可笑しいけれど、嫌いじゃありません。

握手会などの直接話せるイベントではまた話が別ですが、ライブ中の推しは恋人のように褒めてくれるわけでもないし、見てくれるかも分からないのにな……と、心のどこかで思いつつ、いつもルンルンで準備しています。

こういった高揚感はこの日に限ったことではありません。何日も前から、辛いことでも「推しに会えるまであと○日……」とカウントダウンしながらであれば頑張れてしまうし、この日のためにわざわざ美容院やネイルサロンに行ったりしてしまうんです。

現場はオタクにとって生きる活力。なんでもない日常も、推しがいるだけでカラフルで楽しいものになってしまうのだから、推しとは偉大な力ですね。

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