キャンセル手数料(ふつうエッセイ #556)

旅行を取りやめたり、イベントへの出席を見合わせたりすると、キャンセル規定に基づいた返金がなされる場合がある。

この辺は法律などによって多少規定されている、というのが前提で話を進めると、まあ、キャンセルすると全額返金されることはあまりない。規定された固定料金だったり、支払い料金に一定のパーセンテージをかけたりしたものが返金される。

もちろんキャンセルすると、相手も困るのだ。利益と見込んでいた分が減らされるわけで、損失補填の意味合いが強いのだろう。

ただ、「キャンセル手数料」という名前が、腑に落ちない感覚を増しているように思う。

キャンセルに係る手数料であれば、システム手数料などと同等のイメージを持ってしまう。10万円支払ったら10%のキャンセル手数料=1万円だが、1万円支払ったら1,000円しか取られない。この差は一体なんだろう、というわけだ。

昔は、キャンセル手数料なんて気にもしなかった。体調を崩すことはなかったし、仮に風邪気味でもプランを強行していた。これに家族という変数が加わると、途端に変わってくる。プラン変更なんて朝飯前、むしろ、予約時に「いつまでならキャンセルできる余地があるだろう」と考えるようになった。

予定は変わるのが当たり前。

そんな人生もまた、偶発性が高まって面白いと思うのだ。