第二印象(ふつうエッセイ #639)

不思議と、第一印象に関するTIPSは多いものの、第二印象に関する話題はほとんどない。

というか、第二印象なんて言葉はないから当然だろう。でも、この情報社会において、第二印象というのは非常に大事になってくるのではないか。

ひとつは、出会いがオンラインで、2回目がオフラインだったとき。

ZOOM会議などで話した印象と、会ったときの印象がまるで異なっているというのは多い。意外に体格ががっしりしてるなとか、服装の印象が思っていたよりガーリーだなとか。オンラインでは分からなかった癖や表情の変化、オフラインで会うときの情報量の多さは、アフターコロナで特にケアしなければならないことだろう。

もうひとつは、出会いはオフラインで、以降がテキストコミュニケーションだったとき。

少し前に、木村拓哉さんのInstagramにおける絵文字の使い方が話題になった。そのときは有名人絡みのネタとして消費された感があるけれど、でも、僕らの周りに「ああ、そういう絵文字使うんだ」という驚きは多い。

これはいわゆる年長者の絵文字の使い方、という意味ではない。例えば普段は口数の少ないクールな印象の女性が、Facebookの投稿で「ハートの絵文字」を多用するときとか。あ、ハートとか使うんだ、と妙なギャップを感じる。SNSがなかった時代、個別のメッセージで送られてくるハートの絵文字にはドキドキしたけれど、オープンな場で見掛けるハートにはドキドキしない。第一印象でドキドキしたのに、第二印象ではドキドキしない。そんなことが、結構ある。

それを「第二印象」という言葉で表現して良いのかはさておき。案外、相手が感じる印象というのは、往々にして変わる可能性を秘めているというのは、憶えておいた方が良いかもしれない。良し悪しは別にして。