This is (not) love(今井峻介さん #3)

朝は大体7時半に起きる。

7時に設定してあるスマホのアラームを止めては寝て、止めては寝て、ということを繰り返し、7時半に渋々起きている。朝ごはんを作らないといけない。

スマホの目覚まし時計アプリには「スヌーズ」という、アラームを一旦止めて数分後に鳴らすという機能がある。たぶん、僕のような人向けの機能なのだろう。

しかし、ここで声を大にして言いたい。僕がほしいのはスヌーズ機能付き目覚まし時計(アプリ)ではなく「決められた時間に確実に起きれるテクノロジーを駆使した何か」である。

AIが人の仕事を奪うかもしれない、という話をしている2023年に「定時に起きる」ための機能がスヌーズとは。一体全体どうしてそんなことになるのか。スヌーズで起きれるわけがない。人間に対する洞察が足りないとしか言いようがない。あるいは技術開発の怠慢である。電脳化はまだなのか。顧客がほしいのはドリルじゃなくて穴なんだ!と大声で言いたい。しかし、言わない。いや、言えないのだ。

数年前だったと思う。Twitterで誰かがつぶやいていた。「顧客がほしいのはドリルじゃない。かっこいいドリルなんだ」と。

その言葉に衝撃を受けて以来、僕はイップスにかかってしまった。穴なんていらない。かっこいいドリルが欲しい。

まあ、その話は置いておこう。

朝ごはんを作らないといけない。僕より早く起きてYouTubeを見ている息子2人に「おはよう」と挨拶をしてから朝ごはんを準備する。といっても、決まっているメニューを作るだけなので、何も考えずに身体を動かす。洗い物を片付けながら、リンゴを切る。パンを焼く。ご飯をレンジであたためる。

朝食後、妻は会社に行くために家を出る。息子たちには着替えと歯磨きをするように言って、僕は身支度を整える。コーヒーを淹れる。

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