色んなものに生かされて(遠又香さん #4)

この体験で感じたことを、普段の生活にどうやったら、反映することができるのだろう?

それが今、私が持っている次なる問いである。

日々、忙しなく生きている中で、いろんなものに想いを馳せることは難しい。
けれども、もう少しだけ、自分の目の前にあるものの背景にある色んなストーリーに想いを寄せ、感謝する時間が生活の中に増えたらいいなと願う。

北海道という土地には、いろんなストーリーが眠っているし、ヒントもたくさんある。
新しい産業のあり方に挑戦している生産者さんや、その生産者さんたちの想いに共感して、いろんな形でそれらを表現する人も多くいる。その人たちの世界に少し浸ってみた時に、また新たな世界の窓が開いた気がした。

一方で、作り手の人たちの声を聞けば聞くほど、私たち受け手側の意識や生活様式の変化も求められていることを強く感じる。

例えば今回の旅のテーマであった「食」でいえば、より”自然”に近い状態であること、自分の所に運ばれてくるまでの”距離”が短いこと、旬という”時間”軸を大切にすること、その3つが大切な観点になることを学んだ。

学んだことをすぐ生活様式に反映できたらいいけれど、慣れ親しんだ便利さを手放すことは難しい。

旬でいえば、北海道の場合、冬の間に食べられる野菜はぐんと減る。けど、それってどれだけ自分の豊かさを半減させるんだっけ?

そんなことを問い直しながら、一緒に生活様式をアップデートする、そんな仕組みを作ってみたい。

そんな野望が、今回の旅を通して、またむくむく生まれてきた。

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