手触り感のある町との出逢い(遠又香さん #3)

いま住んでいる町への愛を、普段から語っていますか?

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ひょんな縁から北海道・東川町という8,500人の小さな町に移り住むことになった。
今年の7月で、移住して丸3年になる。

いまの私のメインの仕事は、School for Life Compathという大人向けの学び舎の運営だ。構想が始まった2017年あたりから、自然が豊かで、気持ちがいい場所に移り住みたいと考えるようになった。

夫も東京以外の場所に住むことに対して前向きだったこともあり、どんな町が自分たちの肌に合うのか探究することにした。 2018年から2019年にかけて、月に1回のペースで長野、山梨、静岡あたりのAirbnbに宿泊する。いろんな町に、週末だけ住む生活を試していたのだ。

2人のこだわりとして最終的に出てきたのは、「美味しい湧水が近くにあること」と「温泉が近くで湧き出ていること」。そして、「町の雰囲気が外の人に対してオープンなこと」という3つだった。

私たちが東川町を知ることになったのは、夫がたまたま仕事で東川町の人と知り合ったことがきっかけだ。

東川町の詳細については割愛するが、「湧水が美味しい」、「温泉が近くで湧き出ている」、そして、何より「町の雰囲気が外の人に対してオープンなこと」にぴったりあてはまる町であった。

一方、2拠点先としては、ちょっと東京から遠い……。東川町に出会う前は、長野県の松本か軽井沢あたりがいいかなー、なんて話していたのも事実である。

長野だったら新幹線で通えるし、週末だけ住むようにしたら、夫は仕事を辞める必要もなくなる。

けど、なぜだかよくわからないが、心が東川町に呼ばれてしまったのだ。その気持ちに嘘はつけない。

そんなこんなしている間に世の中がコロナになり、夫も東京の会社に勤めたまま、一緒に移住することができた。

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