日産クリッパー(ふつうエッセイ #460)

日産クリッパーを街中で見掛けると、何だか「頑張ろう」と思えてくる。

公式サイトによれば、だいたい100万円で購入できるらしい。車にしては、それほど高額なものではない。だが、彼らは間違いなく値段以上に社会貢献している。荷物を運び、あちらこちらへ奔走する。

汗をかいている。

汗をかかない仕事なんて、仕事じゃない。そんな古い考えを持つ僕にとって、日産クリッパーに乗って汗をかきながら仕事をしている人たちは尊敬しかない。

たまに、ちょっと行儀の悪い人が乗っていたりする。

でも、それは「外見」という、限られた姿だったりするわけで。もちろん外見も内面もダメだ、という人もいる。ただそういった、どうしても想像が及ばない範囲の物事に拘泥していても仕方がないわけで、僕は目の前の「労働」に対して、ただただ敬意を払いたいと感じるのだ。

サボらないこと。

それが日産クリッパーに乗る人たちの、ポリシーではないだろうか。

彼らを見ると、「頑張ろう」と思えてくる。いつか僕も、そういった存在になれたら。ベンツでもBMWでもアウディでもレクサスでもない。日産クリッパーのような存在になろう。あ、でも、フォルクスワーゲンも捨て難いかも?