舌打ち(ふつうエッセイ #178)

意思とは関係なく、舌打ちをしてしまうのは、何故だろう。

相手はもちろんだが、自分さえも不愉快にするのが、舌打ちだ。

たぶん、余裕があるときには舌打ちはしない。余裕がないときに舌打ちをする。舌打ちが癖になっている人は、余裕がないことが続いたことが原因ではないだろうか。

舌打ちよりは、ため息の方がマシだろう。

舌打ちは誤魔化しようがないが、ため息は、ついた瞬間に深呼吸に変えることができる。「はあ……ああああああああ、すうう〜〜、はああああああ」みたいに。酸素を取り込むことで、不要なものを排出できる。

うん、これはなかなか発見ではないだろうか。

舌打ちでなく、ため息をする。

あ、でもダメだ。

そもそも舌打ちは無意識に出てしまうもの。舌打ちでなくため息にしよう、なんて思えるくらいなら、舌打ちをやめれば良い。やめられないから困っているのだ。

うーん、なかなか困ったものだ。ガムを四六時中、噛んでいるわけにもいかないし。

でもコロナ禍は、マスクで舌打ちを聞こえなくする効果があるかもしれない。マスクをしていれば、だいぶ軽減できる。

まあ、舌打ちは、たいてい家族の前でやってしまうのだけど。

うーん、試行錯誤は続きます。