かつてワーカホリックだった私が、人類の異常な仕事愛にブチ切れる話(オカダ瞳さん #3)

しかし、人生そんなに甘くない。

家庭内で私が育児を主に担当している状況では、
どんなに必死に働いても、会社が追求する「利益最大化」という方針に
私が物理的に貢献できないのは明らかでしたし、
さらにマズいのは、私自身がその方針にほとんど共感できなくなっていました。

「これ以上無理をするのは、自分にも子供にも会社にも良くない」と悟り
第二子の妊娠を機に、17年間勤務した企業を退職しました。

長年一緒に働いてきた仲間と別れるのは名残惜しかったし、怖くもありましたが、
「もう会社に有用な人だと思われなくていいんだ…」と思うと
積年の鎧から解放され、素の自分を取り戻したことが何よりも嬉しかったです。

さて、現在の私の仕事のスタイルですが、
定義も方針も、大幅にアップデートしました。
英語で言うと「JOB」から「WORK」に拡大するイメージです。

まず仕事の範囲に、家事・育児も含めることにしました。
会社員時代は、会社の業務のみを「仕事」と定義していましたが
これが本当に辛かったんですよね…。

だって、育児も家事も、めっちゃ大変で重要な仕事なんですよ!?
しかしいくら頑張っても、会社への貢献にはならない。よって金銭も支払われない。
金銭が発生しないから「家事・育児の価値は低い」という風潮すらあります。

しかし「金銭の発生」を根拠に「JOB」のみが無条件に優遇されてるのって、
筋の通らない話だと思います。

そもそも金銭が何のために必要かというと
あくまで家族の生活を支え、幸せにするための手段の1つですよね。
家事・育児は、直接的にその目的を実現しているわけで、
その生産性は「JOB」よりも上とも言えるわけです。

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