誰かのために汗をかく<彼女の言葉①>(Yoshiyuki Hadaさん #1)

彼女に言われて、今でも胸に突き刺さっている言葉がある。決して抜くことができない、今でもトゲのように残る言葉。その言葉は、当時のざらついた感情を思い起こさせるいい加減いやになりそうなものだけど、今の僕を形作り、そして突き動かしている。

しかも、言われたひと言は1つだけじゃなくて、3つもある。それを順番に紹介していきたい。

ちなみに、ここでいう彼女は、複数の彼女の集合体のこと。このように書いた意図は、特定の女性を指すことをぼかす匿名化の意味ではなくて、ましてや付き合っていた彼女がたくさんいたことを自慢したいわけでも、ない。それは、一人に言われた言葉ではなく、時期をおいて何人にも言われた言葉で、僕は、「またか」と苦笑しながら、その度受け止めていたものだから。なので、一人の特定の女性の話ではなく、概念としてのカノジョの話。

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まず1つ目は、大学時代のこと。僕は、大学の交換留学制度に応募して、オランダのアムステルダムに一年間留学した。アムステルダムを選んだのは、大学のゼミで専攻していた国際法を本場で学ぶため。と書くとカッコいいが、実は、当時は海外での生活は未経験で、英語が流暢に話せるわけでもなく、英語圏への交換留学は選考で落ちるだろうなと思ったから。メジャーではないマイナーな留学先を選ぶという人と違う選択に少し得意げになる気持ちもあったかもしれない。そんなわけで、僕は、運河とチューリップの美しくもクレイジーな街で濃密な一年間を過ごした。ただ、残念ながらオランダで付き合った彼女はいない。心に突き刺さる言葉を言われたのは、帰国後のことだ。

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