金子みすゞが生きた時代(ふつうエッセイ #174)

金子みすゞについて、知っていることはほとんどない。

だけど、小学校か中学校の教科書にみすゞの詩が掲載されていて、心を掴まれたのを憶えている。

なぜ、こんなにも感情を揺さぶったのか。その仔細までは記憶していない。だがそれでも、「わたしと小鳥とすずと」が、今まで聞いたどんな言葉とも違っていたことは分かった。

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2022年1月、NHK「100分de名著」で金子みすゞが取り上げられた。

大正から昭和を生きたみすゞは、なんと26歳の若さで自死したという。

彼女が師事した人たちよりも、今ではずっと名前を知られている。にも関わらず生前は、彼女の詩集は一冊も出版されなかった。力があったにも関わらず、女性詩人が低く見られていたのだ。(そして昭和に入り軍国主義が色濃くなって、みすゞのような詩が受け入れられなくなってきたという事情もある)

生きた時代によって、そしてどんな環境かによって、世の中に受け入れられるかどうかが変わるなんて、なんて辛いことだろう。(もちろん今だって、完全にフェアだとは言い難いけれども)

自死したみすゞのことを理解できているとは言えないけれど、彼女の葛藤を想像することで、何か見えてくることがあるように思う。そんな思索を、しばらく続けてみたい。