愛すること(Geumさん #2)

※文中にある名前は、仮の名称です。

* * *

「ユナさん、恋愛不器用そうっすよね。僕の元カノに似てます」
卒業生として現役の大学生に向けて真面目に語っていたとき、学生(20歳)に声をかけられた。

ゼミ懇談会の終了後
「Facebook申請をしてもいいっすか?人生相談にのってください」
—出会い 2015年5月13日

*

人生相談にのった夜。
帰り際、高円寺駅の改札でお別れをする。

ふと彼は振り返る。
「僕、ユナさんと付き合えるような男になれるように成長しますから!」
と言葉を残して、
そのままホームまで駆けていく。
—人生相談 2015年5月20日

*

大学生の夏休み。
青春18切符で宮城まで彼はわたしに会いにきた。

「好きです、付き合ってください」
“おお、そうか。うーん”

「大学生と付き合える最後のチャンスですよ」
“いや、大学生と付き合うことに興味はないです”

「僕と話していて嫌ですか?」
“別に嫌じゃないよ”
「だったら付き合えばいいじゃないですか」
“一理あるな…”
—告白 2015年8月10日

*

家族から連絡が来た。
東京へ帰って、駆けつける。

じいちゃんが、永い眠りについた。
ばあちゃんがじいちゃんに寄り添っている。
うつくしかった。

ふと想う。
付き合ってみてから広がる世界もあるよな。
素直にそう思えた。

彼に連絡をした。
“付き合おう”
—広がる世界 2015年8月12日

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