赤い血(ふつうエッセイ #120)

年始にせっせと大掃除をしている。

諸事情あって、年末に大掃除ができなかったが、年始の大掃除は意外に良いものだと気付いた。

親族の家に行くと、三が日は駅伝をテレビ観戦して終わってしまう。駅伝好きにはたまらない3日間だが、家のことにきっちり向き合える年始というのも、清々しいものだ。

掃除をしていたら、なぜか薬指に切り傷ができていた。

痛みがなかったのでしばらく気付かなかったのだが、妻に指摘されてみてみると、けっこう深くえぐれている。赤い血が滲んでおり、慌てて絆創膏を巻いた。

人間の血は赤い。

人によって、肌の色や目の色は様々だけど、血が赤色なのは万人に共通している。

赤は視覚効果として「危険」を表すという。血が赤色だから、なのか、危険を表すのが赤色だから血も赤くなったのか。それは僕には分からない。いずれにせよ、血を見た瞬間、救急ボックスまで急いだのは事実で。それほど血とは、人間をオロオロさせるものなんだなあと実感する。

目が充血すると、白眼の部分がだいぶ赤くなってしまう。

赤は、危険信号なんだなあ。

フィジカルのように分かりやすく危険信号を出してくれることもあれば、メンタルのように自分でも危険信号に気付かないこともある。できることは、日頃から自分の変化に敏感であること。日々観察を怠らず、危険信号が出たときはゆっくり休むようにしたい。

それが、年始の抱負かもしれないね。