人生を高円寺でやり直す──コロナ禍で手放した「自分」という価値(高円寺で暮らす優莉さん・その2)

取材を行なう半年前、筆者は優莉さんに「コロナが落ち着いたらイタリアに行くんですか?」と聞いていた。あのとき笑って否定した優莉さんは、既に、これからの人生に目を向けていたんだと改めて気付く。(当時、そんな愚問を軽々しくしてしまった自分を恥じるばかりだ)

取材の最初に、筆者は「優莉さんって、自分でどんな性格だと思っていますか?」と(これまた失礼ながら)聞いてみた。すると「根は明るいけれど、別にすごい良い人なわけじゃない。関わる人にプラスなエネルギーを渡せる人でありたいです」と答えてくれた。性格上、仲間から相談事を持ち込まれることも多いというが、行き過ぎた馴れ合いは嫌なのだという。

それは優莉さんが、心の底で「熱中したい」ものに対して、本気で取り組みたいと思っていることの裏返しではないだろうか。いつも笑顔だけれど、厳しさも持ち合わせている。

「30代はアウトプットしていきたい」と話す優莉さん。どんなアウトプットになるのかとても楽しみだ。

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