東京から車で6時間。五感で実感できる利賀村の魅力とは?(利賀村ランニング合宿・中編)

スポーツ選手のセカンドキャリアや競技者としてのあり方が変化し、アスリートの活動にも多様性が生まれている昨今。箱根駅伝に出場した経験を持ち、現在はプロランナーとして競技を続けながら地元で地域貢献活動を行う須河宏紀さんを取材した。

前編では、TOGA SUMMER CAMPの内容や、須河さんの想いについて話を伺った。

*

今回の記事では、富山県利賀村(現・南砺市)で合宿を共に作った参加者を紹介する。

筆者も、須河さん以外の参加者の皆さんと会ったのは、この合宿が初めてだった。

合宿を共に企画した、HIS関西支社の来住裕也さんには「なぜ須河さんの想いや姿に共感し、共に運営しよう」と思ったのか、詳しく話を聞いた。

また合宿参加者であり、トレイルランナーとして活躍する松山優太さんにも話を聞いた。須河さんや来住さんの想いを受けてどんなことを感じるようになったのか、詳しくお届けする。

* * *

須河さんの想いに惹かれて開催したいと思った

HIS関西支社の来住裕也さんは、スポーツ関連事業の新規立ち上げに関わってきた。自身も長距離ランナーとして競技経験がある。

「須河さんと話して、ブログを読む中で響いたものがありました。利賀村のことを真剣に考え、想いを持っている。地域としても、利賀村は演劇の拠点を作ったり、TOGA天空トレイルラン(利賀村で開催されるトレイルランニングの大会)を開催したりしていて魅力を感じます。私自身、過去に長野県売木村でランニング合宿を開催した経験がありましたし、利賀村でもランニング合宿をできると思いました」

須河さんのプロランナーとしての姿勢、利賀村への想いに呼応するように来住さんが運営に入り、合宿開催に向けて準備は進んでいった。

今回の合宿では、様々なバックグラウンドを持つランナーが利賀村を訪れた。「合宿」というコンテンツだけ見れば、ロードランナーやトレイルランナーなどが「混じる」イベントはそれほど多くない。

「ランナー同士、ランナーと地域の人々とが、イベントが終わった後も繋がり続けられる場にしたかったんです」

と来住さんは話す。須河さんの想いを受け、来住さんが運営に加わる。そこで生まれた相乗効果が、合宿の楽しさを生み出したのかもしれない。

1 2