個包装への抵抗(ふつうエッセイ #224)

マイクロプラスチックによる海洋汚染、生態系への影響に関して、僕は人並みに関心を持つ。

なるべくレジ袋をもらわないようにしているし、肉や魚を包むビニール袋も断っている。

それでもレジ店員さんによっては、善意で肉や魚にビニール袋を包んでくれる方もいる。「そのままでいいっすよ」がなかなか言えないのは、腹の底では「ありがたい」と思っているから。

そんな弱さは認めつつも、できる限りの個包装への抵抗は試みている。

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インスタントコーヒーは、個包装していないものを選んでいる。近所のスーパーに1種類だけ売られているアバンスというブランドの商品だ。

本当は味にもこだわりたいのだが、スターバックス、猿田彦珈琲、小川珈琲店……ことごとく個包装になっている。

彼らに罪はないと分かっているが、ぜひ個包装の中止を検討してもらいたい。

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考えてみれば、コンビニで売られているおにぎりや菓子パンも、すべて個包装だ実際のところ管理しやすいのだろう。おにぎりをそのまま並べてしまうと、衛生面での問題が発生し得るし、商品の入れ替えにもひと苦労かかってしまう。

どうなんだろう、消費者も本心は個包装の方が安心するのだろうか。だとしたら、無意識的に個包装の商品を手に取る=売れるだろうなあ。

需要と供給が、見事にマッチしているわけだ。

だけど、中には僕のように、ささやかながら個包装に抵抗を試みている人たちもいる。彼らはなるべく個包装「でない」商品を探し、わざわざ購入する。僕は抵抗という言葉を使っているけれど、まさにレジスタンス的な存在といって差し支えないだろう。

ちょっとずつ、この辺りの意識は高まっているように思える。

レジスタンス的な存在の人たちは、今のところレジスタンスとして見做されている。だが、時代こそ変われば「ふつう」の存在になっていくだろう。それまでは、何とかささやかな抵抗を続けなければならない。命の危険性はない。「変わり者だね」なんて言われることに耐えれば良いだけだ。簡単なことだ。

ということで、個包装に抵抗するレジスタンスへの参加を、僕は熱烈に歓迎する。参加者、募る!