熱中症(ふつうエッセイ #337)

部屋の中にいても、熱中症になる。

これまで何度も軽度の熱中症になっていたのに、迂闊なことに、室内で熱中症になってしまった。ズキズキとした頭痛、経験したことのある痛みだけに何とも情けない。

別に直射日光を浴びていたわけではない。息子と同じ空間にいたはずなのに、どうして自分だけが……。いつも通りクーラーで部屋を冷やしていたはずなのに、どうも汗が止まらなかったのは、そもそも疲れが溜まっていたのかもしれない。(そういえば息子にこまめに麦茶を飲ませていたけれど、自分の水分補給は不十分だった気がする)

熱中症に関するニュースが連日報道されている。

被害に遭った人は、「まさか自分が」という思いだったのではないか。

軽度とはいえ、何度も熱中症になった自分が思うのは、誰だって熱中症になるということ。昼も夜も、屋内も屋外も、水を飲んでいようとなかろうと。ちょっとした熱中症のリスクはどこにだってあるのだ。

「自分だけは大丈夫だろう」という正常性バイアスは最近知られ始めてきたけれど、言動が伴うかといえば別の話だ。誰だってコロナウィルスに感染する可能性があるように、そもそも細心の注意を払っていても熱中症にはなってしまう。だって、こんなに暑いのだから。

でも、だからといって「考えすぎても仕方ないよね」と諦めてしまうのは、いかがなものか。人事を尽くして天命を待つ、とは大袈裟かもしれないけれど、それなりの準備はしておきたい。熱中症は決して想定外でなく、想定内の事象なのだから。