再会の祝杯(ふつうエッセイ #544)

かつての職場でお世話になった上司が退職する。

そんな知らせを受けて、元同僚が一堂に会した。中には遠路はるばる自費で駆けつけた方もいて、上司の人望の厚さが窺えた。

年齢が上とか下とかはあまり関係ないのだけど、特に前職は、経営陣を除けば僕が年長者であることが多かった。そういう環境は結構気を遣うもので(しっかりしていないといけない)、わりとしっかりと仮面をつけていなければならなかった。それに比べると、上述の飲み会は20代のときに知り合った方々が集まる場で、自由気ままに振る舞うことが許されていたなあと思う。

とはいえ、上司が退職することをきっかけに集まった場である。「ひと言、○○さんへ」と突然振られると、どうも見当違いのことしか出てこなかった。

あれもこれも、色々なエピソードがあったはずなのに、「どうしてこのことを……」というものを取り出してしまう。自由気ままというのは、良いことばかりではない。実際、いま振り返ってみると、かなり甘えてしまっていたなあと反省することも多い。

でも、飲み会は楽しかったなあ。

お喋りって、楽しいなあ。たぶんそれって、日本語だろうと英語だろうと、変わらない。どんな言語で喋るかなんて、大した問題ではないのだ。そんなことをいうと、言語を研究している方に怒られそうな気もする……なので、今日はこの辺で失礼します。