3通目「あなたのためを思ってしたのに」(山本夕紀さん #3)

まえがき

こんにちは。今回は第3回目のエッセイです。

過去のふたつは、自分の人生を振り返って、これって愛していたなと思うことや、愛されていたなと思うことを書いてきました。
今回は、私の愛の失敗談を書こうと思います。

苦い思い出になったから、それは愛ではない、間違っていた、と言ってしまうのは、あの頃の自分が少し可哀想な気がするんです。きっとあの寂しさも苦しさも、やっぱり愛していたからそうなるんだよなぁ。と思うのです。

#3通目「あなたのためを思ってしたのに」

今日このエッセイを書くまで、もし私がいつかプロポーズをしていただけるとなった時、相手には言ってほしくないと思っていたセリフがあった。

それは、「僕があなたを幸せにします」だ。

これまで長い歴史の中で、ありったけの愛と誠意を込めて、多くの人が愛する人に思いを伝えてきた言葉だと思う。
しかし私は、どうしてもこの言葉が好きになれなかった。
幸せかどうかは私が決めるんだから、あなたがどうこうできるものでないと。

こんなへそ曲がりなことを言ったら、「その言葉の意味は、そういうことじゃないんだよ!!」という声が聞こえてきそうだ。(笑)

分かってる。分かってるよ。言葉を、言葉のまま受け取っていいような言葉じゃないんだよね、きっと。

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