母にはそれが、愛だった(三好優実さん #4)

すこし前、一番下の妹が大学生になり、親元を離れた。

私の両親、もとい母と継父はとうとうふたり暮らしになった。「おっさんとふたり暮らし、どう?」と母にLINEすると「気持ち悪い」と返ってきた。即レスだった。しかもすぐに話をそらされた。

私は長年、このふたりは熟年離婚すると思っていた。だからふたり暮らしと聞き、そろそろかな?と思いつつの質問だった。だけど実際は、気持ち悪いと言いながら一緒に暮らしている。そして暮らし続けるつもりらしい。おかん、人生それでいいのか。いつまで我慢するつもりなんだ。

そんな風に思っていたので、私に出産が迫ったとき、てっきり母は喜んで手伝いに来てくれると思っていた。だから臨月に入った頃、とても気軽な気もちで「生れたら2週間くらい来てくれん?もっと長くてもいいよ!」と連絡をした。すると母からは「2週間は無理。仕事あるし。1週間や」と返事が来た。

思っていた返事と違ったので動揺した。
えーーー!短くない?仕事ってコンビニのバイトでしょ?時給払うからもっと居てよ!とわがままを連発。すると母は「仕事もそうやけど、猫やうさぎの世話もある」と被せてきた。これは無理なやつだと早々に諦めたけれど、なんだかすこしモヤッとした。

とはいえ出産後は頼もしかった。すぐに都合をつけて家に来てくれ、家事や育児を手伝ってくれた。母が息子の沐浴をする姿は感慨深いものがあった。

1 2 3 4