ミツル(ふつうエッセイ #326)

昨年9月にWebサイト「ふつうごと」をリリースし、いまに至るまで毎日エッセイを更新している。今日で326日目となった。呆れるほどの駄文だが、我ながらしっかりと続けてきたと思う。

僕と同世代だと、326という数字は「ミツル」として認識しているだろう。イラストレーター、詩人であるナカムラミツルさんのことだ。19(ジューク)の元メンバーとして、「あの紙ヒコーキ くもり空わって」「すべてへ」の歌詞提供やCDジャケットデザインを行なっていた。

それはさておき、326で、ミツルである。

数字に言葉をあてることは特別なことではないが、あえて特別なことでないアプローチで特別感を作ったナカムラミツルさんは、なかなかの策士である。

こんなふうに、「特別じゃない」ことで、ちゃんと特別感を醸成できる方法って、他にもあるのかもしれない。たとえば毎日料理をつくる人がいるとして。その写真をレシピや調理時間と合わせてアップし続けること。そこにちょっと小粋な詩を添えたりなんかして。毎日料理を作るのは「普通」だけれども、料理に付随した情報にちょっとしたオリジナリティを付加するだけで、それは「普通」ではなくなる。

たぶん、その方法は何でも良くて。それがたとえナカムラミツルさんほどの特別感にはならなくても、ちょっとした特別感を味わえたらしめたものではないか。

普段やっていることに、誰もやりたがらない(だけどアドオンしたら面白くなる)ことを重ねてみる。

それを考えるだけで、視点が変わる。ちょっと楽しくなる。だとしたら、やらない理由はないだろう。