雨と風の交差点(ふつうエッセイ #275)

中途半端に詩的なタイトルだが、なんてことはない。

雨風の強い日に、交差点待ちするのって「しんどいよね」というエッセイだ。

大通りを車が走り、傘をさしながら信号が変わるのを待つ。スマートフォンを覗く気分にもならない。手持ち無沙汰。靴も濡れる。良いことが全然ない。(ちなみに雨の日は自転車に乗れないので、コワーキングスペースに行かずに近くのカフェで仕事するようにしている)

冬の雨風は、それはそれで「しんどい」ものだが、夏の雨風は違った「しんどい」がある。どちらかといえば「うんざり」というべきか。また雨が降ったか……という、諦めに似たような気持ちが込み上げてくる。

そんなときに、読書は心強い味方になる。

本を読むのに、気候は関係ない。関係ないのだけど、雨は、思考をずっと深くまで潜らせることができるような気がするのだ。

さすがに雨の交差点で読書はできないけれど、思い切って喫茶店など、休める場所を探すのが良いかもしれない。

そういえば、日本には古くから晴耕雨読という言葉がある。

晴れのときにすること、雨のときにすること。それぞれ違うのが自然なことなわけで。これからは少しだけ、天気によって「モード」を変えてみよう。そんな過ごし方が、きっと気分にも合っていくはずだ。