何となく不調とドクターX(ふつうエッセイ #105)

ドラマ「ドクターX」が好きだ。

なので、のっけからのドラマ批判はご容赦いただきたいのだが、どうしても最新シーズンである今クールのドラマは違和感しかなかった。

コロナ禍の医療現場を描いているにも関わらず、病院内で一切マスクをしない医師たち。ソーシャルディスタンスをとらず、相変わらず「院長回診」という名の大名行列をさせるのは演出上の都合だけだろう。

ウィルスに関する言及にも粗雑さを感じることが多く、大門未知子の痛快さを感じることなく最終話に至ってしまったという印象だ。(まあ結局、最終回まで欠かさず観てしまったのだが)

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医療系のドラマを観ると、なんとなく、身体のどこかが病気になったような不安な感覚に陥ってしまう。

普段だったら気にもしないのに、何だか過敏に反応してしまうのだ。

「ドクターX」では、患者(になる人)が、腹やら腰やら背中やらに痛みを感じ、それを大門未知子が目敏く発見するという場面が毎回描かれる。あれくらいの痛みであれば、僕も多かれ少なかれ感じそうなものだが、たぶん「気のせい」だろうと軽くみてしまう。

普段の生活では、大門未知子はいない。いないのだけど、彼女がそばにいたら「検査しよう」って言ってくれるんじゃないか、なんて思ってしまう。

「失敗しない」大門未知子にオペは頼みたいけれど、1,000万円も請求されるのは嫌だなあ。今のところ健康でいられることに感謝をしつつ、失敗だらけの人生で、また明日から仕事に臨んでいくしかないのである。