秘密のふつう(ふつうエッセイ #1)

はじめまして。

Webサイト「ふつうごと」を運営している株式会社TOITOITO、代表の堀と申します。

ほとんど真っ新なWebサイトです。ペラペラです。何だか寂しいので、しばらくの間、毎日「ふつうエッセイ」を更新したいと思います。1本目は「秘密のふつう」について。

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Webサイトは、とてもオープンな場だ。

基本的にどこでもアクセスできるし、誰もが公平に閲覧できる。

なので「秘密」とは相性が合わない。SNSでは「鍵付きアカウント」というものがあるけれど、それはサービス側の配慮みたいなもの。秘密の話をしたいときは、秘密の話をしたい者同士が集い、ルールを決めて運用されなくてはならない。

ただ思うのだけど、秘密とは、めちゃくちゃ雑に運用される傾向にあるのではないだろうか。

「絶対に開示してはいけない」というルールを定めたとしても、忘れちゃいけないということで手帳やノートにメモしておく人もいる。何かの拍子にノートが見られてしまったら大変だ。秘密は、秘密でなくなってしまう。

あるいは秘密と言いつつ、親しい2,3人には喋ってしまう人もいる。「好きな人いる?」「秘密にしてくれるなら教えるよ」。残念ながら、数日の間にクラス中に情報が広まってしまう。(これって何なんでしょうね)

そして秘密を破った人間に対して、罰則規定があるわけでもない。(人間関係がこじれる、ということもありますが、少なくとも「禁錮1年」みたいなことはないですね)

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それでも全ての秘密に共通していることがある。

「ちょっと小声で話す」ということだ。声量が大きな人も小声になるし、もともと声量が小さい人はもっと小声になる(聞き取りづらい)。

秘密を喋るとき、ちょっと緊張する。誰かに聴こえたら大変だからだ。

喋った後は無法地帯化するけれど、喋るときは「秘密」感が出る。

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秘密のドレスコードは明確に定められているわけではない。だからこそ、秘密をテーマにした文学作品、映像作品が絶えないのだとも言える。古今東西、ちょっとした秘密がきっかけで、人生が大きく変わるわけで、やはり秘密には何らかの魅力があるわけだ。

害のない範囲で、楽しい秘密を運用してみてはいかがだろうか。