お腹がすいたとき(ふつうエッセイ #168)

生きていれば、どうしたってお腹がすくものだが、中途半端な時間にお腹がすいたときほど対処法に悩むことはない。

身体が求めているのは食べることだが、朝昼夕のペースが乱れ、結果的に身体に負担が加わることにもなる。

例えば深夜24時、そろそろ寝るかと思ったときにお腹が減る。深夜24時の間食は、胃腸に大変良くないとされる。よほど眠いときなら眠れるが、お腹がへって眠れないときもある。水でごまかすにも限界があって、「バナナなら良いか」と妥協策をとることもある。

「お腹がすく」というのは、究極の自分ごとだ。

贔屓の野球チームが負けても、推しのアイドルが結婚発表をしても、円高になっても、それらは遠く及ばない世界で作用されている物事だ。いくら考えたって、苦悩したって、結果はほとんど変わらない。(応援すれば変わる気がするけれど、あくまで「気がする」だけだ)

「お腹がすく」というのは、身体を切り裂くことと等しい。

いくら成績が悪くても、初恋の人にふられても、レギュラーから外されても身体への直接的なダメージはない。

そう考えると、空腹のダメージはあなどれない。

しかも、可能性としては毎日おこりうる。

空腹、恐るべし、だ。

空腹を避けるための具体的な妙案を、常に2,3個携帯しておいた方が良いかもしれない。空腹に、負けるわけにはいかない。