鉛筆をなめる(ふつうエッセイ #167)

4歳の息子、現在、ひらがなの猛特訓中だ。

まあ、猛特訓という感じではないけれど、そろそろ自分で文字を書けても良いかなと思い、ひらがなのドリルをやらせている最中だ。

いつもはクーピーやクレヨンを使っているのだが、今日は鉛筆を渡してみた。クーピーやクレヨンより細く、最初は持ちづらそうにしていたが、すぐに慣れてくれた。

すいすいとドリルを進めているのだが、あれあれ?ときどき、鉛筆をなめている。

持ち手の方(芯ではない木の部分)を、口に入れて、感触を確かめているような感じだ。この仕草は、クーピーやクレヨンのときにはなかった。

小学生のとき、鉛筆を口にしていた生徒がいた。彼の鉛筆は噛んだ形跡がエグいほど残っていて、ちょっとしたホラーのようだった。彼のことを嫌ってはいなかったが、鉛筆を噛んでいる姿だけは気味悪く映った。

そのことも思い出したので、息子には噛まないように伝えた。それきり噛むのはやめてくれたけれど、そもそも、なぜ子どもは鉛筆を噛んでしまうのだろうか。

ストレスもあるだろうし、手持ち無沙汰を感じることもあるだろう。意外に鉛筆って、味わい深いのかもしれない。あるいは好奇心の現れだろうか。

いずれにせよ、あまり行儀の良い行為とは言えない。引き続き鉛筆をなめないように注意するが、息子の傾向性は普段から意識しておきたい。そこに成長のヒントもあるかもしれない。