ダウナーな気分のときは、料理に限る(ふつうエッセイ #165)

週始めの徹夜が祟ったせいで、どうしても仕事に集中ができない日々が続いている。昨日は日中に仮眠したりして乗り切ったものの、今日は何も言葉が浮かんでこない。

これはマズいと思って、昼間にスパイスカレーを作ってみた。

たまねぎをフライパンをカーっと強火で炒めたとき、懐かしさとともに、えも言われぬ満足感に包まれた。飴色になっていくたまねぎに、トマトやスパイスを混ぜていく。やや塩味が足りなかったけれど、良い感じの仕上がりになった。

時間に追われていると、だいたい作るメニューが決まってしまう。作り置きするために、カレーやシチューに頼ることも多い(野菜もとれる)。

ただ、そこに料理の喜びはない。

なんでだろうと考えてみたら、だいたい先が予想できるからだ。

いつも作っているメニューは、手順が頭に入っている。煮込む時間には子どもの遊びに付き合うことも可能で、なんというか料理に集中しているわけではないのだ。

スパイスカレーは、2年前に何度か作ったことがある程度。どんな味になるか想像もできない。失敗する可能性もあるけれど、とびきり美味いカレーが完成するかもしれない。そこに喜びがある。

仕事でも、そうかもしれない。

3年も4年も、同じ仕事を続けていると、僕の場合は飽きてしまう。長年同じ仕事をコツコツと続けている、職人と呼ばれる人たちに「甘い」と言われてしまうかもしれない。考えだと思われてしまうだろう。

それでも僕は、先の見えない新しい仕事を定期的に欲してしまう。

何が正解なのかは分からない。

だけど、つねに創意工夫ができる状態は幸せなことのはず。

ときどき、新しいレシピにも挑戦したい。次は、何を作ろうかな。