バレンタインデーが嫌いだ。(ふつうエッセイ #162)

何かを「推す」ことがトレンドである昨今、嫌いなことをだらだら述べる意義なんてないことは分かっている。

それでもバレンタインデーが嫌いだし、この世の中からバレンタインデーがなくなってほしいとすら思っている。

ここに至る理由はシンプルで、僕が小学校のとき、ほぼチョコレートをもらえなかったから、という私怨に行き着く。なんて了見が狭いのだと我ながら苦笑してしまう。

この私怨はきっと僕だけではなかろうと思うのだが、周囲に見解をうかがうと、最近は「義理チョコ」「友チョコ」なるものが一般的になっているという。

公平性を期して、男女を問わずチョコレートを配るというのだ。なかなか各家庭に負担が大きいなと思いつつ、それが果たして友達の証明になるのだろうか?という疑問が湧く。というかそもそも、誰もかれもチョコレートが好きというのは幻想ではないだろうか!

ああ、嫌だ。
ああ、嫌だ!
ああ、嫌だ!!

考えるだけで後ろ向きな気持ちになってしまうバレンタインデーなんて、本当に今すぐなくなってほしい。

本当は仕事に集中しなければいけないのに、ついチョコレートのことが頭を過ぎってしまう。

だれか、トントンと肩を叩いてくれないかな?と思う。あるいはトイレに行った隙に、そっと机に置いといてもらえないものか。

いま、僕は猛烈にチョコレートを欲している!