転校生が来た。
真面目でいい子そうな、まりこちゃん。
高知から来たらしい。
みなで遊ぶことになった。
自転車で公園をかけまわる。
追いかけっ子をした。
まりこちゃんが鬼になった。
みなが別の場所に自転車で移動する。
わたしも何も言わずに、みんなについていく。
—鬼ごっこ 小学校5年生 2000年
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小学校6年生、夜の課外活動で有志による週1バレーボールが始まった。
クラスの女子はまぁまぁ参加してる。
参加してみた。
サーブ練習。
右手よりも、左手でサーブを打ったほうがちゃんと打てた。
わたしは左利きだったの?
練習終わりの帰り際。
バババっ。
体育館通路を飛び交う黒い影。
夏の夜、学校にコウモリがいるんだ。
—コウモリ 小学校6年生 2001年
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友達と遊びに行った。
プリクラを撮った。
楽しそうなシールがでてきた。
道路を歩くと、3人横並びには歩けない。
そんなとき2人は先に歩く。
わたしはいつもついていく。
—プリクラ 小学校6年生 2001年
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“お母さん、なんでわたしの家は、友達を連れてきちゃいけないの”
“なんでわたしは遊びに行っちゃいけないの”
—遊ぶ 小学校6年生 2001年
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中学へ入学した。
近所の別の小学校からの入学も多い。
わたしの名前が珍しいのか、別のクラスから人が見に来てる。
—入学式 中学校1年生 2002年
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家族旅行。
初めての大阪、USJ。
USJのホテルにお泊り。
父さんと母さんたちのいつもの喧嘩が始まった。
なんで旅行のときくらい楽しめないんだろうか。
“こんなんだったら旅行になんて来なきゃよかった”
きっとこれが最後の家族旅行。
—家族旅行 中学校1年生 2002年
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クラスの女子には、3つのグループがある。
人気者系グループ、中間系グループ、文化系グループ。
わたしは文化系グループ。
でもわたしは勉強は少しできるので、人気者系とも文化系とも誰とでも話せる。
体育の授業がある。
「二人組になってください」
わたしと組むひとは誰もいない。
—体育 中学校2年生 2003年
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彼女は言った。
「まだ生理こないの?」
“まだこない”
「わたしだって、あんたくらいの年頃では生理きてたよ。あんた、おかしいのね」
わたしはおかしい。
—初潮 中学校2年生 2003年
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「泣き虫だね」
「家族変わってるよね」
“へへへ”と笑う。
机にはいろんな事が書かれている。
書かれている言葉は楽しそう。
“へへへ”と笑う。
ある日の机。
「試合に出ないくせに、応援しに授業サボってんじゃねーよ」
書かれた言葉。
涙がとまらない。
わたしはなにをやっているんだろう。
—机 中学校3年生 2004年
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お父さん、生きている意味ってなに?
わたしは人に頼られたい。
わたしは人に必要とされたい。
名前がきらい。
—夜の公園 中学校3年生 2005年
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私が思い残すことは、自分自身を貫けなかったことだ。
私が思うことを、ちゃんと口に出すことができなかった。
従って、私はこれから自分を貫くことを目標として頑張りたい。
そして、私の存在意義を見つけたいと思う。
いろんなことを経験し、人生の大切な何かを見つけたいと思う。ありがとう。
—卒業文集の末尾 中学校3年生 2005年