なぜ彼らはスコップを所有しているのか(ふつうエッセイ #124)

4シーズンぶりに大雪警報が発令された東京。報道によると10センチほど積雪があったそうだ。

昨夜は息子とともに、2時間ほど雪と戯れ危うく凍傷になりかけたわけだが、一夜明けて今朝は雲ひとつない晴天である。

こんな日に有難いと思うのは、自宅周辺を雪かきされている近所の方々だ。彼らの雪かきが広範囲に及ぶことによって、結果的に、僕たちの通学路、通勤路が整備されていく。転ぶことなく、それぞれの持ち場まで足を運ぶことができるのだ。

それにしても、さほど降雪があるわけでもない東京において、各人がスコップを所有していることには毎度驚いてしまう。東京は狭い。庭がない家が普通なはずだ。それなのに、なぜ彼らはスコップを所有しているのだろうか。降雪時以外に、スコップを使うシーンがあるのだろうか。

1年に数回しか使わないものを所有するのは、とても勇気がいることだ。

先月はクリスマスがあったけれど、クリスマス関連のグッズを保管しておくのもしんどい。しんどい、というか、クリスマスの衣装なんかは「どこにしまったんだっけ?」というバタバタがいつも発生して、そうやはり、しんどいのだ。(お金はかかるけど、買う方が楽なのだ)

スコップの保管場所って、どこなのだろう。

自宅い倉庫のようなものがあるとも限らない。ちょっと大きめのシューズケースの中に、横向きで置かれているのだろうか。あるいはベランダにずっと放置されているのか。綺麗に洗って押し入れに仕舞い込まれているのだろうか。

謎は深まるばかりだ。

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いずれにせよ、降雪時には公共交通機関をはじめ、さまざまなインフラが機能しなくなる。

雪が降ってもごみは出るわけだから、ごみ収集が中断されるわけにもいかない。介護士や保育士も、施設をあけるために、何ならいつもより早めに自宅を出て仕事に備えなければならない。

そんな方々に感謝をしながら、今日も、せっせと仕事に臨むのだ!