なるべく正式名称で書きたい派閥(ふつうエッセイ #111)

なるべく正式名称で書きたい。

シンエヴァンゲリオンでなくシン・エヴァンゲリオンだし(もっと正確に言えば「シン・エヴァンゲリオン劇場版」だけど)、yahooでなくYahoo! JAPANだ。

そこにこだわりたい人たちを「なるべく正式名称で書きたい派閥」と呼び、勝手に徒党を組ませてもらいたい。(該当者は強制参加である)

なるべく正式名称で書きたい派閥は、世間的にはマイノリティな存在だ。あらゆる物事の名称とは、たいていは好き勝手に記されていく。それは自分が所属している組織であっても同様だ。創業者が熟慮した結果の会社名であっても、そんなのは「知らんがな」なのだ、本音は。

そりゃ、そうだと思う。

もし仕事で、会社名を間違って表記してしまったとして。同僚や先輩に叱責されたとしても「知らんがな」で通せば良いと思うのだ。ミスタイプされやすい名前にした方が悪い。どうしても想いがあるのであれば、予めミスタイプされるであろう確率やリスクを念頭に置かないといけないだろう。

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まあ、それはそれとして。本題はなるべく正式名称で書きたい派閥のこと。

結論から言うと、なるべく正式名称で書きたい派閥の面々は、どちらかと言えば不幸な結末を辿る。

なぜなら彼らは、同僚のミスタイプを赤字訂正し続ける宿命にあるからだ。一括変換という機能があるにせよ、なるべく正式名称で書きたい派閥以外の人たちは、実に様々な間違いをしてくれる。

前述のYahoo! JAPANであれば、ヤフーだったりyahooだったり、YAHOOだったりヤホーだったり。中にはミスとは言えないのだけれど、ミスタイプっぽい書き間違いも発生する。

しかしながら、どれもこれも、なるべく正式名称で書きたい派閥には許せないミスなのである。

同僚のミスを粛々と訂正していくと、彼らは同僚から頼られる存在になる。同時に煙たがられる存在にもなる。なかなかどうして矛盾しているが、あなたの周りにも頼もしくも煙たがられている人はいないだろうか。ちょっと敷居が高いのである。yahooでもYahoo! JapanでもYahoo! JAPANでも何だって良い方にとっては。

そして当人にとっても、自らの所業を「やりすぎ」だと思うこともある。

「すべらない話、面白かった!」とツイートをする手は止まり、「人志松本のすべらない話、面白かった!」と訂正してしまうのだ。

だけどこの場合、正式名称の仰々しさは目も当てられないだろう。そんなこと当人は百も承知なのだ。だけど、やめられない。

2021年もそろそろ終わる。

なるべく正式名称で書きたい派閥の会長として、来年こそは、だいたい正式名称で書きたい派閥くらいに方向性を変えられるよう、変革を志したい。集え、有志よ!