見逃した映画(ふつうエッセイ #76)

映画好き、というほどでもないのだが、今年は映画館で観たい映画が特に多かった。

幾つかは足を運べたものの、大半は観ることができず公開終了になってしまう。忘れた頃にNetflixなどで配信されることもあるが、やはり大きなスクリーンで観たかったという想いは募る。

そういった心境に至ることは予想できるので、頑張って映画館に行くべきなのだが、実は余韻というのが曲者で。いやもちろん、映画館の余韻というのは映画を観た者にだけ許される幸せな感覚なのだが(むしろそれを楽しむために映画を観に行くといっても過言ではない)、いざ仕事という視点が重なると、余韻が邪魔をして仕事に集中できないという由々しき事態が起きてしまう。

というわけで、特に平日は、こういったストイック魂が顔を覗かせ映画館に行けないというわけだ。

しかしまあ、要はバランスが大事なわけで。

最後に映画館に行ったのは9月終わりか10月上旬。「サマー・オブ・ソウル」が最後だった。もう1ヶ月経つし、これだけ気になる作品が並んでいるなら映画館に足を運ぶべきだろう。

繰り返しになるが、何を観ようか、と小一時間悩んでしまうくらい素敵な作品が揃っている。

配信では満ち足りない余韻を、今日こそは楽しみたいと思って生きるのだ。