半開きのドア(ふつうエッセイ #68)

最近気付いたのだが、個室トイレのドアが半開きのものがある。

外出先の個室トイレの場合、

・人が中に入っているとき=ドアが閉まっている
・人が誰もいないとき=ドアが開いている

という仕様になっていることが多い。稀に人が誰もいないのに、ドアが閉まっていることがある。外で待っていたら「あれ?鍵かかってないじゃん」となり、何だか時間を損した気持ちになる。

そして件の半開きドアのことだ。

直感的には「開いている」と感じるので、ドアがしっかり開いていようが半開きだろうが、困ることはない。使い手の利便性は担保されているのでデザインとして合格だと言える。

そうなると所有者側の問題である。おそらくしっかり開いているドアの場合、長年開け閉めを繰り返していくとドアが劣化しやすいのではないだろうか。それが半開きのドアであれば、ドアに触れる力も微減するような気がする。可動域をめいっぱい使わないことにより、劣化を遅らせる効果があると思うのだ。(実際どうなんだろう)

コスト差がどれくらいなのかは分からない。

だけど、そんなところにも小さな工夫を施しているんだなと思うと嬉しくなる。何事も健全な批判精神は大事だ。日常を疑うことでしか、改善は生まれないから。