Yukariドロップス(ふつうエッセイ #511)

器用かどうか、と問われれば「僕は器用ではない」と答えるけれど、ある程度の段階までは努力によって何とかなるものだと思っている。

料理も、日常的に料理を作っているかどうかがポイントで、作らなければ料理の腕は鈍るだろう。もちろん料理家として生きていくためには、努力の他に才能も求められる。ただ、生まれつき料理が下手ということはなくて、料理が下手な人はそれ相応の料理経験を積んでいないだけだと僕は思っている。

……という前提のもとで、最近、どんどん手先の感覚が「雑」になってきたのを実感する。毎日MacBookやiPhoneを触っているので、タイピングやフリック入力は衰えることはないけれど、書類の整理とか、食材の皮剥きとか、ついしくじってしまうことが多いのだ。

今日も、ゆかりの袋を開けたまま、真っ逆さまに落としてしまい、床中をゆかりだらけにしてしまった。息子たちは爆笑していたけれど、大人げなく絶望の表情を浮かべてしまい、彼らに「あ、笑っちゃいけなかったんだ……」と気を遣われる始末。いけない、いけない。

いやしかし、食材系を落とすのは、日常茶飯事でけっこう頻発しているような気がしてならない。包丁で切って、皿に移そうとしたトマトを床に落としたり、りんごを切っていて床に落としたり。手先の器用さというか、握力の問題かもしれない。

いや、もしかしたら、床に磁石でもついているんじゃないだろうか。そうじゃないと、理由として成立しないような気もするのだ。うーん、どうだろうなあ。

うーん、うーん、うーん。

どうでも良い問いに、答えを捻り出そうとすると、大喜利みたいになっちゃうなあ。頭に余分なものが溜まっているのだろう。ちょっと、吐き出す時間を取らなくちゃ。