ここ数年、株式会社パイロットコーポレーションの水性顔料ゲルインキボールペン「ジュースアップ04」を愛用している。
https://www.pilot.co.jp/products/pen/ballpen/gel_ink/juice_up/
愛用している、と言っても、200円で買えるリーズナブルなものだ。書いていて抜群に気持ち良く、何度も「筆が乗る」瞬間に立ち会うことができた。
発売中止の気配は感じないが、世の中何が起こるか分からない。不測の(不足の)事態に備えて、僕の家には50本くらいのストックがある(黒だけで)。
役所などに備え付けのボールペンが置いてあるが、ジュースアップに慣れると「あれ、何だかつっかえる感じがあるな」と思わざるを得ない。もちろん書く用途においては問題ないのだけど、どうにも筆が乗らない。公的書類なのに書き損じが多いのは、僕の迂闊さが理由だけではないはず。
ぜひ、色々な場所で、ジュースアップを置いていただきたいと心から願っている。
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そんな僕も、ジュースアップを超えるボールペンに出会ったことがある。
数年前に参加したオフラインのセミナー。セミナー終了後にアンケートが配布され、それを記入するときに手にしたのが、それだ。
セミナーで多少疲れがあるのに、とてもナチュラルで、僕の手のひらにスッと馴染んだ。いつまでも書いていられると思った。
なのに、迂闊なことにボールペンのメーカーなどを確かめずに退出してしまった。ビルを出た瞬間、「あー!」と思った。
近くの文房具屋に立ち寄って、あらゆるボールペンを試し書きしたが、同じ感触は戻ってこなかった。不思議なことに、そのボールペンの、色も形も、重みも憶えていない。
一夜限りの恋人……
なんて古い表現だが、まさに彼女(彼)は、あっという間に僕のもとから去っていったのだ。
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ジュースアップという、ピッタリのパートナーを、僕は既に見つけている。
あのボールペンの感触に再び出会うまでは、まだ旅は終わらない。