飲み会の調整(ふつうエッセイ #313)

もはや夏の風物詩のように、コロナ感染拡大が再びやって来た。

日常生活に戻れるかと期待していた中だったので、第7波といわれているオミクロン株「BA.5」の再浮上は残念だ。

そんな中、「飲み会」をテーマにすることは心苦しいのだが……。ここ1ヶ月でいくつか飲み会に参加し、ちょっとした飲み会の困りごとを感じた。特に飲み会における各種調整が面倒だったことについて書いてみる。

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3〜4人ならまだしも、10人近い飲み会を開く場合、「調整さん」のようなWebツールを用いるのが当たり前になっている。ああだこうだメールで日程が飛び交っていた時代が懐かしい。

飛躍的に便利になった一方で、いまだ不便なことが2つある。

ひとつめは、調整が非同期であるということ。
クイックに反応できる人は、複数の候補日にYES / NOをサクサクと入力する。幹事としては有難い存在だが、残念ながらそういう人ばかりではない。感覚的に7割くらいは「なかなか入力しない」人であり、それらの人たちの入力が済まない限り、他の予定をブロックしていないといけないわけだ。

仕事が忙しいなどの理由があるので、致し方ない側面もあるだろう。「予定、どう?」とその場で同期的に確認するのはそれはそれで圧がかかるものだけど、予定を保留するようなタイムラグは不便に違いない。

ふたつめは、「そもそも飲み会に行きたくない」人への配慮を持ちづらいことだ。
「調整さん」は、「みんな都合がつけば飲み会に参加したいだろう」というポジティブな気持ちが前提にある。しかし飲み会参加に対して後ろ向きだったり、家族の事情などで行きづらいだったりしたとき、「調整さん」の入力を躊躇ってしまうことがある。

「なかなか入力しない」というわけではないのだ。事情があって入力できずにいるのだけど、幹事的な立場だと「入力どう?」と聞かないといけなくなる。双方にとって気まずい思いをしてしまうわけで、この辺りも「調整さん」の弱点ではないかと思うのだ。

一気に決められないか。
Googleカレンダーをベースにした日程調整ツールの場合、関係者の予定をすぐにfixさせる。

みんなが決めてから考えるわ。
自分のことはさておき、日程を先に決めてくれ。その上で行けそうなら行く、という選択肢を残しておきたい。

全部をテクノロジーで解決するのは無理な話だ。

だけど、できる限りにおいての配慮はしても良い。「調整さん」を超える調整だって、もっと出てきて良いはずだ。

飲み会は楽しい。でも飲み会に行けない / 行かない生活だって「良し」とされていいのだ。そんな風に思考しながら、また次の飲み会について思いを巡らせている。