キングダム2(ふつうエッセイ #331)

少し前に、山崎賢人さんが主演を務める「キングダム2」を映画館で観てきた。

アニメ版「キングダム」はシーズン2まで観ていたのだが、細かい筋はすっかり忘れている。怪力&胆力を強みに、主人公の信があれやこれやとのし上がっていく物語。仲間と共にボロボロになりながら、対峙する相手を打ち負かしていくのは、いわゆる「ジャンプ感」のある展開で楽しい。(致命傷を受けたのに、回復速度が異様に速いのはご愛嬌か)

仕事の都合で、僕は長野県松本市の映画館で鑑賞した。

音響環境に優れた劇場で、劇伴やら何やらがクリアに聴こえる。「キングダム1」と比べると戦闘シーンも多く、スペクタクルなシーンの連続に思わず拳を握りしめた。

今年は「トップガン マーヴェリック」に代表されるように、いわゆるIMAXのようなラージ・フォーマットで上映されている作品が好まれている。

・シン・ウルトラマン
・エルヴィス
・バズ・ライトイヤー
・スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム
・ウエスト・サイド・ストーリー

そして先週末から公開が始まった「ジュラシック・ワールド〜新たなる支配者〜」もラージ・フォーマット向けの作品といえるだろう。

サブスクリプションで映画鑑賞する人が増えている中で、「映画館に行く理由」もまた変化しているのだろう。映画の物語を追いかけるだけでなく、スクリーンに没入する体験を味わうことはラージ・フォーマットが提供する代替できない価値になる。

一方で、制作側の視点にも思いを馳せてみる。ラージ・フォーマットの映画を作るためにはそれなりのコストが当然かかるわけで、これまで以上に「商業的な成功(かけた費用を回収できるか)」を織り込まなければならない。

「トップガン マーヴェリック」は、日本で100億円突破する大ヒットを記録している。しかし、そのような作品をポンポンと生み出せるわけではない。ハイリスクハイリターン。そのチャレンジに、映画関係者は血眼になって取り組んでいる。

……だけど僕は、ミニシアターで鑑賞する映画だって好きだ。ミニシアターで上映されるのに向いている作品もあると思っている。体験価値が目減りするかといえばそんなことはない。ちゃんと心を打つ。

そういう映画が、適正に評価されてほしいし、多くの人に届いてほしい。

評価されるべきだし、届くべきだと思っている。そのチャレンジを、僕は血眼になって取り組みたいと考えている。