仕事は楽しいですか?
誰しも聞かれたことのある問い。自信を持って「Yes」と答えられる人は、どれだけいるだろうか。
イラストレーター・Ricco.さんにとって、絵を描くことは「好き」以外のなにものでもない。だからこそ趣味と仕事の境界線は曖昧で、衰えぬ創作意欲につながっているのだ。
前編ではRicco.さんが似顔絵マシーンを始めたきっかけや、「どんな仕事も断らない」というスタンスを紹介した。後編ではRicco.さんの原体験に触れながら、これからの仕事、似顔絵マシーンの展望について話を伺っている。
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「これ描いてよ」に応えた楽しさが、いまもずっと続いている
Ricco.さんにとって、創作の楽しさは、幼少期の成功体験にあったようだ。
友達に「これ描いてよ」と頼まれ、それに応えると喜んでもらえる。絵を描くことが仕事になってからも、そのときの楽しさは変わっていないという。
Ricco.さん(以下、Ricco.)「もちろん仕事はお金をいただくものですけど、やっていることは子どもの頃と変わらない気がするんです。
『描いてくれますか?』とオーダーいただいて、それに応える。私の描いたものがお店に並んだり、雑誌に掲載されたりすると、『なんて嬉しい仕事なんだ!』って思えるんです」
パートナーとして歩みを共にしているGovoさんは、Ricco.さんが創作過程でスランプに陥ったり、モチベーションが低くなったりしたことは「一度もなかった」と話す。
Govoさん(以下、Govo)「Ricco.にとって描くことは、楽しくて仕方ないもののようです。傍目からはどんなに大変な仕事でも『描きたい』という気持ちが常に上回るんですね。空を飛ぶように絵を描くというか……。そこに迷いやストレスはないように見えます」
Ricco.「波のようなものはあって。絵を描くモチベーションがちょっと下がるときはあります。だけどその分、人形を作るモチベーションは高まっている。イラスト提出期限が迫っている中でも、どうしても人形が作りたくなったりとか。もちろん最終的に納期は守りますが」
Govo「やりたいタイミングでスイッチの切り替えこそあれど、創作意欲が全く衰えないのは彼女のすごいところです。多少モチベーションが下がっても、スイッチの切り替えだけで、ずっと作り続けることができるんですから」