創作意欲は衰えない。どんな環境でも全力で仕事を楽しめる秘訣とは?(イラストレーター Ricco.さん・後編)

これから描きたいもの、描いていくカタチ

取材の最後に、Ricco.さんが見据える将来について話を聞いた。

Ricco.「いつか絵本を作りたいと思っています。物語もずっと考えていて、できあがっているんですけど……あまりに大切でなかなか着手に至っていないんです。子どもたちの本棚にずっと置いてあるような絵本を描くというのが、自分の目標ですね」

似顔絵マシーンもずっと続けたい夢のひとつ。いまと同じような気軽さをずっと続けていきたいという。

Ricco.「Instagramを見て、毎年のようにイベントに顔を出してくれるお客さんもいます。私が描いた似顔絵を集めてくれていて。カップルだったふたりが、夫婦になり、家族が増えていく。そんな時間の流れを共にできて嬉しいです。
似顔絵マシーンは、これからも気軽に参加できる価格で提供していきたいと思っています。以前小さな子どもが『お母さんが、このイベントの中で好きなものを買ってね』ということで、似顔絵マシーンに来てくれたんです。この価格だから、子どもでもお小遣いの範囲で似顔絵マシーンを選べます。そんな気軽さを、これからも続けていきたいです」

そんなRicco.さんの姿に触発されたのか、息子も創作に夢中だという。

Ricco.「最近、似顔絵マシーンの横にちっちゃなマシーンを置いたんです。息子を箱に入れて、10円入れたら息子の描いた似顔絵が出てくるみたいな。そうなったらかわいいねって話をGovoとしているんです」

Govo「うちはオモチャはあまり買わないんですけど、『何かを作る材料だったらいくらでも買うよ』と息子に伝えています。ふと気付いたら長男が、ものすごい集中力で創作に励んでいたことがあって。『これ作ったの?』と、ふたりでびっくりするほどです。刺激を受けながら、家族それぞれが何かを作れるというのは楽しいですね」

Ricco.「この前『ほしいものある?』って聞いたら『COSボードがほしい』って言って。工作しやすい造形用ボードのことなのですが、届いたときは声をあげて喜んでいました。すぐに3時間くらい、籠って作っていたりして。これから彼が、どんな作品を作っていくのか楽しみです」

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