大作家への道のり(ふつうエッセイ #687)

エッセイを毎日書いている。
例えば街を歩いているとき、ネタがひょいっと頭に浮かぶことがある。それを本当は、メモしなくちゃいけない。なぜなら僕は、高い確率で忘れてしまうからだ。

誰だったか、著名なアーティストは、「記憶から消えるようなアイデアは大したことがない」と言っていた。

いや、それは違うね。

画家がスケッチを怠らないように、物書きはアイデアのストックこそ生命線になるはずだ。ぼーっとしているとき、あるいは何かの作業中にふと浮かぶアイデアは、何かしらの可能性を秘めているはずで。

真夜中、エッセイのネタが浮かばなくてうんうんと悩んでいる。そんな状態で良いエッセイなんか書けるはずはない。

エッセイは、スケッチと似ている。

目の前の事象をキャプチャーして、形にする。だからこそ、目の前に「あった」事象をメモに残しておかなければならない。

かつてメモ魔と呼ばれた自分を、取り戻せ。待ち合わせに遅刻してでも(いや、遅刻はダメか)、その日に偶然訪れたアイデアを受け止めるべきなんだ。

そういった心づもりで、街を捉えていく。その集積が、僕を大作家へと導いていくかもしれない。いやまあ大作家までいかなくても、ちょこちょこと佳作を生み出せるような書き手にはなれるんじゃないかなと思うのだ。