必着と当日消印有効(ふつうエッセイ #471)

何でも良いけれど、手紙なり書類なりを郵送する際の要件として「○月○日必着」とか、「○月○日まで。当日消印有効」とか、そういった提出期限の記載がある。

僕もかつて仕事をしていた際に、郵送物の管理をしていた。どちらで対応していたか記憶が朧げではあるのだが、管理する立場からすれば「必着」の方が楽である。「この日までに届いていなかったらダメ!」と線を引けるし、次の段取りへの移行もスムーズだからだ。

当日消印有効の場合、郵送物を「待つ」フェーズが発生する。諸事情によって遅れが発生していることもあるだろう。災害があったり、事故があったり、物理的な遠さだったり、状況は色々あれど、とにかく一定期間の「待つ」が必要になる。

だけど、郵送物を「送る」側にとっては、当日消印有効の方が安心だ。回収時間までに郵便ポストに手紙を出せば、当日消印として受け取られるからだ。必着の場合、「この場所で、普通郵便だとどれくらい届くまで時間がかかるだろう?」と考えなくてはいけない。

当日消印有効なら、「送る」ことに集中できる。「届く」ことは前提になるから、「この手紙が相手に伝わりますように」という感覚に浸ることができる気がするのだ。

届くかな、伝わるかな。

当日消印有効の要件には、きっと、送り手への配慮が込められている。ちょっと考えすぎかもしれないけれど、きっと、そうだ。

だから、僕の手紙は相手に届くし、きっと伝わるはずなのだ。