意外と混むね(ふつうエッセイ #428)

混雑しているところが、好きではない。

好きな人はいないと思うけれど、お祭りにせよ、電車にせよ、ラーメン屋にせよ、混雑を避けて僕は行動するようにしている。

ただ、混雑を100%回避することはできない。以下大別する2パターンに遭遇することは多々あって、そのたび混雑と付き合わなくてはならない。

・やむをえず、混雑している場所に行かねばならないケース
・思いがけず、混雑している場所に行ってしまったケース

例えば、通勤。

通勤の時間帯というのは、誰もだいたい同じもの。通勤ラッシュはある程度覚悟して臨まなければならないものだ。僕が新卒で入った会社は、10時出社だった。なので多少マシだったけれど、転職して入った会社は9時20分出社で、たった40分の違いなのに、電車内の混雑状況は全然違っていた。(しんどかった)

一方で、思いがけない混雑というのもある。

この時間帯、この路線は混まないだろう。そうタカを括っていたのに、めちゃくちゃ混んでしまったことがある。話が違うよ、落ち着かないよ、そう嘆く暇もない。

うっかりパターンもある。レンタカーを出発ギリギリまで予約しなかったとき、いざ!と思って予約しようと思うも、満車だったことは数知れない。そういうときは、だいたい大規模イベントが近くであったり、実は3連休のタイミングだったりする。まさにうっかりで、言い訳もできない恥ずかしさを伴う。

さらっと、「意外と混むね」と言えるくらいの、余裕を常に持ちたいものだ。「意外」と「想定外」は、似たようなものだけど、全然違う。想定外って、「想定できたでしょ!」という非難も暗に込められていて、やや罪悪感を生じさせる。

だからこそ、「意外と混むね」くらいの温度感が良い。

さらっと、ひょろっと、しれっと。

しれっとは、ちょっとダメっぽいけれど。意外にね。