筆を置く(ふつうエッセイ #373)

書いている文章が「イケてない」ことがある。

なぜ「イケてない」のだろう。テーマが悪いのか、構成が悪いのか、きっちり頭の中で考えがまとまっていないのか、執筆に集中できていないのか。それとも、そもそも文章を執筆する力が足りないのか。

色々な理由があるのだけど、うんうん考えていても打開しないのは事実だ。どうしても惰性で執筆を続けようとしてしまうのだけど、諦めて筆を置くのが正解であるケースが結構ある。

いわゆる文章を寝かせるということなのだが、やはり効用は大きいようで。頭のどこかで文章のことを考えており、改めてスクリーンを立ち上げるとみるみる執筆が進むということがあるのだ。(あまりに文章を寝かせ過ぎてしまうと、まとまっていた思考が一切合切途絶えてしまうので要注意)

それ以外にも、MacBookのスクリーンから離れて、iPhoneの画面に切り替えるというのも良い。MacBookとiPhone、それぞれに接しているときの思考回路は異なるらしく、iPhoneだとサクサク書けるという場合もある。筆を置くならぬ、筆を変えるということか。

ただ、前述した通り、そもそもテーマや構成が悪いということもある。筆を置いて解決するのは、執筆のリズムに支障が出ているときだ。前提を疑うことも忘れてはいけない。試行錯誤はしつつも、ときにはバシッと切り替えることも大切なわけで。

「創作」には正解がない。絶対的に正しいプロセスというのも存在しない。だからこそ難しいのだが、楽しいことでもある。

そんな挑戦に関しては、しばらく筆を置けそうにない。