スパムメールが届くとき(ふつうエッセイ #236)

ここ数日、「ふつうごと」の問い合わせフォームに大量のスパムメールが届いている。

ロシア語で書かれた件名のスパムメール。一時期かなり減少していたのだが、ここ数日、思い出したかのように大量に届いている。

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詐欺を伴うようなスパムメールがある一方で、中には、素朴な商品紹介的なケースのものもある。それらはシステマティックにスパムメールを送るように組まれている。かつて手動で組んでいたような、アナログな状況は懐かしくもある。

でも、ちょっとだけ妄想してみる。

このスパムメールを送りつけてくる主のことを。

彼(彼女)も生活がある。朝になれば起床し、朝ごはんを食べ、仕事をして、昼ごはんを食べる。午後に仕事を再開し、夕方に帰宅。パートナーとデートの時間を過ごしながら夕飯を食べて。もしかしたらロマンチックな場所で婚約しちゃったりなんかして。

幸せの最中、スパムメールを組み立てる気持ちは、どんな感じなのだろうか。「悪いなあ」と思って送るのか、それとも、ルンルンな気持ちで送っているのか。その辺の塩梅を想像するのは。結構難しい。

ちなみに僕は、社会人に入ったばかりの頃、メールマガジンをサービスに登録しているユーザー向けに送ったことがある。

なるべく「広告っぽい」感じを出さないように苦慮するのだけど、やはり送った後に「メールを送らないでください」という連絡を受けてしまう。送る側はスパムのつもりはないのだけど、送られる側はスパムだと思っている。そういう認識の違いはありそうだ。

スパムメールを送る、送られる。

迷惑極まりないのだけれど、ちょっとだけ「遊び」の気持ちも交えつつ、粛々とスパムメール対策をしている夜。手持ち無沙汰には、ちょうどいい作業だ。