然るべきときに(ふつうエッセイ #230)

「ありがとう」と「ごめんなさい」は、どんな言葉よりも、その人の在り方や在り様を決めると思っている。

感謝の気持ちを強要したいわけではないけれど、然るべきときに「ありがとう」を口にできる人は、やはり素晴らしい人だ。

そんなことを書いている僕も、「ありがとう」を言うのは苦手で。つい忘れてしまうこともあり、後から後悔することも多い。

なんで、あのとき、ちゃんと御礼を言えなかったんだろう。
という具合に。

ちゃんと、然るべきときに、心からの感謝の言葉を言えるようになりたい。

*

「ごめんなさい」も同様だ。

やはり、その言葉を求めるわけではないけれど、自分に非があったとするなら、誠意をもって「ごめんなさい」を相手に伝えるべきだ。

その「ごめんなさい」は、

ごめんなさい!
でも、

ごめんなさい〜
でも、ない。

ごめんなさい……
と表現する必要もなく、

ごめんなさいw
は、言語道断だ。

テクニックのように、相手の心証の悪化をどれだけ食い止められるか、を考えるべきではない。「ごめんなさい」は、「ごめんなさい」であり、それ以上でも以下でもない。

感謝の言葉と同様に、いやそれ以上に、謝罪の言葉を口にする機会を逸しているように思う。若気の至りとか、そういう問題ではない。今からでも謝罪を言うべき人には、ちゃんと言わないといけないと思う。

そういう思いは、ここ数年で、どんどん強くなっている。

後悔しないように、「ありがとう」と「ごめんなさい」を、きちんと言えるようにしよう。